目次

「歴史は別個の巨大な生物となって誕生し」

Page Type Example
Example ID a1534
Author 坂口安吾
Piece 「堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 216

Text

政治の場合に於て、歴史は個をつなぎ合せたものでなく、個を没入せしめた別個の巨大な生物となって誕生し、歴史の姿に於て政治も亦巨大な独創を行っているのである。

Context Focus Standard Context
生物 (歴史)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 生物 = 歴史 歴史=生物

Grammar

Construction AはBとなってC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B と[なって] C と-帰着点
3 B [と]なっ[て] C 変質する(へんしつする)
4 B [となっ]て C て-推移・連続

Pragmatics

Category Effect
図地構成 (figure-ground organization) 歴史を、個別の人間という部分から構成されるものではなく、個人を含み込む1つのまとまった全体をなすものとして捉える。
活喩 (prosopopeia) 個々人の意志や行為を超えた独立した自律的存在として歴史をとらえるという認識を提示する。