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「鼻は行儀よく唇の上に納まっている」

Page Type Example
Example ID a0329
Author 芥川龍之介
Piece 「鼻」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 44

Text

そこで内供は誦経する時にも、食事をする時にも、暇さえあれば手を出して、そっと鼻の先にさわって見た。が、鼻は行儀よく唇の上に納まっているだけで、格別それより下へぶら下って来る景色もない。

Context Focus Standard Context
鼻は 行儀よく () 納まっている

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 人間 = 鼻=人間

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬人法 (personification) 身体部位である鼻に、自律的な人間のような様子が感じられる。
アナロジー・類推 (analogy) 人が落ち着いて「行儀よく」している様子を引き合いに出すことで、唇の上にある鼻が、あたかも自らを律してそこに留まっているかのような印象を与え、「内供」の人間としてのゲシュタルトがゆらいでいる。
人物描写 (description of a character) 鼻の様子に焦点を当てて、内供の顔立ちを描いている。