概念メトニミー (conceptual metonymy) は、ある概念領域領域をフレームとする要素間関係の集合である。概念メトニミーにもとづく主なレトリックとしては、換喩・メトニミー (metonymy)、提喩・シネクドキ (synecdoche)、転喩 (metalepsis)、転移修飾語 (transferred epithet)、反転修飾 (inverted epithet)などが挙げられるが、これらに限られず、概念メトニミーのはたらきはさまざまなレトリックで観察される。
概念メトニミーの概念は、概念メタファーから派生的に導かれたものである。基本的な想定は、換喩にも、隠喩と同じように、概念レベルでの一般的パターンがあるだろう、というものである。
概念メトニミーは、伝統的な修辞学分類に非常に近い。例えば、部分>全体、衣服>人物、地名>産物といったような分類が、修辞学ではなされてきた。これは、換喩表現に共通してみられる意味的なパターンを抽出しているとみなすことができる。しかし、ボトムアップに用例を収集していくと、従来の分類にはあてはめにくいものも多く見られる。従来の理論は概して抽象的なレベルでの分類を行っている。このコーパスでは、個別の用例レベルで意味クラスを記述し、換喩の写像関係を捉えていくことで、概念メトニミーを帰納的に導出することを目指す。
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