目次

「服地の匂いが私の寂寥を打った」

Page Type Example
Example ID a2419
Author 梶井基次郎
Piece 「器楽的幻覚」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 34

Text

そしてその服地の匂いが私の寂寥を打ったとき、何事だろう、その威厳に充ちた姿はたちまち萎縮してあえなくその場に仆れてしまった。

Context Focus Standard Context
服地の匂いが 私の寂寥を打った (私に寂寥感を与えた)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 打つ = 香る かおる=打つ

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 匂いが際立って感じられる寂寥感が読み取れる。
擬人法 (personification) 「服地の匂い」が人を打つことのできる主体として表現する。
奇想 (conceit) 「服地の匂い」が人を打つという独特な認識を表現する。寂寥感を抱いている「私」にとって、公爵の背広服の匂いが一定の際立ちをもってくっきりと感知された、という主観的認識が表現されている。