目次

「会の終わりを病気のような寂寥感で出口の方へ動いて行った」

Page Type Example
Example ID a2417
Author 梶井基次郎
Piece 「器楽的幻覚」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 34

Text

最後の拍手とともに人びとが外套と帽子を持って席を立ちはじめる会の終わりを、私は病気のような寂寥感で人びとの肩に伍して出口の方へ動いて行った。

Context Focus Standard Context
病気 のような寂寥感

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction AのようなB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような B 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 音楽会が終了してしまった寂寥感を表現する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 「私」の感じる寂しさが単なる寂しさではなく、音楽の美しさから外界の全てを無意味として認知してしまっている異常な状態にあることを、尋常の様態からの逸脱である病気を想起させることで表現する。