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「木枯のような音が一しきり過ぎていった」

Page Type Example
Example ID a2415
Author 梶井基次郎
Piece 「器楽的幻覚」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 34

Text

小曲は終わった。木枯のような音が一しきり過ぎていった。そのあとはまたもとの静けさのなかで音楽が鳴り響いていった。

Context Focus Standard Context
木枯のような のような音

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 木枯らし = 小曲 曲=春風

Grammar

Construction AのようなB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような B 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
描写 (description) 孤独感を感じさせる音楽であることを表現する。
心理描写 (psychological-description) 音楽に木枯らしの寒々としたイメージを抱く話者の孤独感が読み取れる。
イメジャリー・イメージ (imagery) 木枯らしの寒々としたイメージを用いることで、発話者の孤独感を想起させる。
アナロジー・類推 (analogy) 孤独を感じている発話者にとって、音楽の音色がその孤独を癒すに足るものではないことを背景にして、音色を木枯しに比することで、自身の孤独を音に投影する。