目次

「黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た」

Page Type Example
Example ID a2395
Author 梶井基次郎
Piece 「檸檬」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 21

Text

不意に第二のアイディアが起こった。その奇妙なたくらみはむしろ私をぎょっとさせた。  ――それをそのままにしておいて私は、なに喰(く)わぬ顔をして外へ出る。――  私は変にくすぐったい気持がした。『出て行こうかなあ。そうだ出て行こう』そして私はすたすた出て行った。  変にくすぐったい気持が街の上の私を微笑(ほほえ)ませた。丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が私で、もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなにおもしろいだろう。私はこの想像を熱心に追求した。『そうしたらあの気詰まりな丸善も粉葉みじんだろう』

Context Focus Standard Context
黄金色に輝く 恐ろしい爆弾 (檸檬)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 爆弾 = レモン 柑橘=爆弾

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
カテゴリー転換 (-) 書店の棚に置いたレモンが、実は単なるレモンではなく危険な爆弾であったとしたら…という空想の核をなしている。
心理描写 (psychological-description) 空想の突飛さから、空想を密かに楽しむ様子が窺える。