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「幸福な感情は逃げていった」

Page Type Example
Example ID a2383
Author 梶井基次郎
Piece 「檸檬」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 19

Text

しかしどうしたことだろう、私の心を充たしていた幸福な感情はだんだん逃げていった。香水の壜にも煙管にも私の心はのしかかってはゆかなかった。

Context Focus Standard Context
幸福な感情は 逃げていった (なくなっていった)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 逃げる = なくなる なくなる=逃げる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
活喩 (prosopopeia) 「幸福な感情」を逃走する主体として表現する。
心理描写 (psychological-description) 人が恐怖や嫌悪を感じる相手から逃げるときの典型的なイメージをつうじて、幸福という感情が「私」の心から不可逆的に消え失せてしまったという変化の様子が見てとれる。
異例結合 (-) 「幸福な感情」という抽象体に対して「逃げる」という動作動詞を結合する。