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「廂(ひさし)が眼深に冠った帽子の廂のように」

Page Type Example
Example ID a2363
Author 梶井基次郎
Piece 「檸檬」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 16

Text

もう一つはその家の打ち出した廂なのだが、その廂(ひさし)が眼深に冠った帽子の廂のように——これは形容というよりも、『おや、あそこの店は帽子の廂をやけに下げているぞ』と思わせるほどなので、廂の上はこれも真暗なのだ。

Context Focus Standard Context

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 帽子 = 屋根 屋根=帽子

Grammar

Construction AがBのように
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B が-主語
2 B の[ように] の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
風景描写 (scene-description) 廂の傾きが急であり、その中が暗くなっている様子を描く。
明晰 (clarity) 廂の傾きが急である様を比喩によって分かりやすく表現する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 帽子を目深にかぶった様子のイメージによって、廂の様子を表現する。
メタ言語 (metalanguage) 「廂」が単なる言語修飾上の比喩的な形容ではなく、本当にそう思えたということをメタ的に注釈している。