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「想像の絵具を塗りつけてゆく」

Page Type Example
Example ID a2354
Author 梶井基次郎
Piece 「檸檬」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 12

Text

錯覚がようやく成功しはじめると私はそれからそれへ想像の絵具を塗りつけてゆく

Context Focus Standard Context
想像の絵具を 塗りつけてゆく (鮮明に思い描く)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 塗る = 想像する 想像する=塗る

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
寓意・アレゴリー (allegory) 直前の「想像の絵具」に連なる表現。
イメジャリー・イメージ (imagery) 白い画用紙を基礎として、そこに絵具を塗りつけて具体的な形や色彩を実現するように、京都から遠く離れた土地にいるという架空の設定に基づいて、さらに空想を具体化していく様を想起させる。
明晰 (clarity) 目の前の具体的な事物や出来事にも架空の設定の中での位置を与えていくという特異な心的作業が、絵画製作の過程を引き合いに出すことで、わかりやすく描写されている。
心理描写 (psychological-description) 絵画製作の過程になぞらえることで、目の前の具体的な事物や出来事に架空の設定の中での位置を与えていくという心的作業を描いている。