目次

「輝きの無い、いやに白っぽい光である」

Page Type Example
Example ID a2344
Author 中島敦
Piece 「牛人」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 291

Text

重苦しく淀んだ・不吉な予感に充ちた部屋の空気の中に、ただ一つ灯が音も無く燃えている。輝きの無い・いやに白っぽいである。

Context Focus Standard Context
輝きの無い ()

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ぼやける ←→ 光る はっきりする<-->光る

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
転用語法 (enallage) 通常、光と輝きは同時に現れるものだが、その両立を否定することで、「一つの灯」に明るく照らされてはいない部屋の薄暗さを想起させる。
評価 (evaluation) 「光」と「輝き」は同時に現れるものだが、「重苦しく淀んだ・不吉な予感に充ちた部屋の空気」にある「光」が単に物理的な光であることを示し、心情的には良い印象をもたらさないものであることを示唆する。