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「距(けづめ)は鉄のごとく」

Page Type Example
Example ID a2327
Author 中島敦
Piece 「盈虚」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 277

Text

殊に、魯の一貴人から購め得た一羽の如き、羽毛は金の如く距(けづめ)はの如く、高冠昂尾(こうかんこうび)、誠に稀に見る逸物である。

Context Focus Standard Context
(距)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = けづめ ひづめ=鉄

Grammar

Construction AはBのごとくC-D
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ごとく] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ごとく C ごとし-類似-連用形
4 C - D 統語関係

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 闘鶏用の雄鶏について、鉄という硬さの代表的事物に比することで、その蹴爪の堅さや質感を想起させる。
過大誇張 (auxesis) 生物の身体を無機物に比することで、その硬さの程度が極めて高いことを表示する。
描写 (description) 鉄の硬さや質感を引き合いに出し、当該の雄鶏の蹴爪の特質を描く。