「次の朝、色を作(な)した太子疾が白刃を提げた五人の壮士を従えて父の居間へ闖入(ちんにゅう)する。太子の無礼を叱咤(しった)するどころではなく、荘公は唯色蒼ざめて戦(おのの)くばかりである。太子は従者に運ばせた牡豚を殺して父に盟(ちか)わしめ、太子としての己の位置を保証させ、さて渾良夫の如き奸臣はたちどころに誅(ちゅう)すべしと迫る。あの男には三度迄死罪を免ずる約束がしてあるのだと公が言う。それでは、と太子は父を威すように念を押す。四度目の罪がある場合には間違いなく誅戮(ちゅうりく)なさるでしょうな。すっかり気を呑まれた荘公は唯々(いい)として『諾』と答えるほかは無い。」
Context | Focus | Standard | Context |
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色蒼ざめて | (恐れて) | 戦くばかり |
Construction | |
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Mapping Type |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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Preceding | Morpheme | Following | Usage |
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Category | Effect |
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誇張法 (hyperbole) | あたかも肌の色そのものが青く変わったかのように表現することで、心情の変化に際立ちを与える。 |
心理描写 (psychological-description) | 顔色という外面的な変化を描くことで、その変化の原因となるような心の動きの存在を示唆する。 |