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「空費された己の過去に対する補償であった」

Page Type Example
Example ID a2309
Author 中島敦
Piece 「盈虚」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 270

Text

荘公が位に立って先ず行おうとしたのは、外交の調整でも内治の振興でもない。それは実に、空費された己の過去に対する補償であった。或いは過去への復讐であった。

Context Focus Standard Context
空費された (無為に過ごした) 己の過去

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 財産 = 過去 過去=財
2 無駄遣いする = 過ごす たつ=つかう

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
評価 (evaluation) これまでの時間を価値あるやり方で過ごすことができなかったということに対する後悔の念が感じられる。
イメジャリー・イメージ (imagery) 「過去」という時間が金銭や財産のような消費対象であるという印象を与える。受動的な表現によって、その空費があたかも荘公にとっては不可避であったという印象を与える。