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「ひねくれた中年の苦労人に成上っていた」

Page Type Example
Example ID a2306
Author 中島敦
Piece 「盈虚」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 268

Text

明け暮れ黄河の水ばかり見て過した十年余りの中に、気まぐれで我が儘だった白面の貴公子が、何時か、刻薄で、ひねくれた中年の苦労人に成上っていた

Context Focus Standard Context
成上がっていた (成り下っていた)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 成上がる ←→ 成り下がる 立身する<-->小成に安んずる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
皮肉・反語・アイロニー (irony) 「気まぐれで我が儘だった白面の貴公子」から「刻薄で、ひねくれた中年の苦労人」になった人物を「成上が(る)」と言うことで、悪い方向への変化をあたかも良いことのように表現し、ひねくれた印象を与えている。