目次

「夫人は狂気のように繰り返すばかりである」

Page Type Example
Example ID a2302
Author 中島敦
Piece 「盈虚」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 265

Text

太子の妙なそぶりに夫人は気が付いた。太子の視線を辿り、室の一隅に怪しい者の潜んでいるを知ると、夫人は悲鳴を挙げて奥へ跳び込んだ。其の声に驚いて霊公が出て来る。夫人の手を執って落着けようとするが、夫人は唯狂気のように『太子が妾を殺します。太子が妾を殺します』と繰返すばかりである。

Context Focus Standard Context
狂気 のように『太子が妾を殺します。太子が妾を殺します』と繰返すばかりである

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 狂気 > 狂人 狂>俗
2 狂人 = 夫人 妻=俗

Grammar

Construction AはBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 狂気という尋常から逸脱した存在によって、喚いている様が尋常一様のものではないことを示す。