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「こんどはぼくの影法師はコムパスだ」

Page Type Example
Example ID a2296
Author 宮沢賢治
Piece 「銀河鉄道の夜」
Reference 『新編銀河鉄道の夜』
Pages in Reference 195

Text

(ぼくは立派な機関車だ。ここは勾配(こうばい)だから速いぞ。ぼくはいまその電燈を通り越(こ)す。そうら、こんどはぼくの影法師はコムパスだ。あんなにくるっとまわって、前の方へ来た。)とジョバンニが思いながら、大股(おおまた)にその街燈の下を通り過ぎたとき、いきなりひるまのザネリが、新らしいえりの尖(とが)ったシャツを着て電燈の向う側の暗い小路(こうじ)から出て来て、ひらっとジョバンニとすれちがいました。

Context Focus Standard Context

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 コンパス = 影法師 瑞光=コンパス

Grammar

Construction AはBだ
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B は-既出のものに関する判断の主題
2 B だ-断定・指定-終止形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 電灯によってできた自分を中心とした影が、移動とともになめらかに方向転換したイメージを感じさせる。
アナロジー・類推 (analogy) 影の細方の形状とコンパスの形状の類似によって影をコンパスとして捉え、さらに光によって影が映る方向が変えることとコンパスの針が向きを変えることという機能的な類似を見出す。
定義 (definition) 形状と機能の類似にもとづいて、影法師を「コンパス」として比喩的に定義する。