目次

「その影法師は地面に美しく落ちていました」

Page Type Example
Example ID a2272
Author 宮沢賢治
Piece 「カイロ団長」
Reference 『新編銀河鉄道の夜』
Pages in Reference 62

Text

カイロ団長は丁度この時うちの中でいびきをかいて寝て居(お)りましたがやっと目をさまして、ゆっくりと外へ出て見ました。あまがえるどもは、はこんで来た石にこしかけてため息をついたり、土の上に大の字になって寝たりしています。その影法師は青く日がすきとおって地面に美しく落ちていました。

Context Focus Standard Context
その影法師は…地面に 落ち (映え) ていました

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 落ちる = 映える 映える=落ちる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
カテゴリー転換 (-) 青く日がすきとおった影法師が地面の上で美しく生えて見えたという視覚的認識を、影法師の落下として力動的関係のもとで表現する。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 影法師の反射が美しく見えたというのではなく、その美しさが影法師そのものによって物理的に引き起こされてそこにはっきりと存在していたという印象を与える。
風景描写 (scene-description) 影法師が伸びている様を力動的な関係になぞらえながら描いている。