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「汗がからだ中チクチクチクチク出て」

Page Type Example
Example ID a2269
Author 宮沢賢治
Piece 「カイロ団長」
Reference 『新編銀河鉄道の夜』
Pages in Reference 61

Text

みんなは石のある所に来ました。そしててんでに百匁ばかりの石につなをつけて、エンヤラヤア、ホイ、エンヤラヤアホイ。とひっぱりはじめました。みんなあんまり一生けん命だったので、汗がからだ中チクチクチクチク出て、からだはまるでへたへた風のようになり、世界はほとんどまっくらに見えました。とにかくそれでも三十疋が首尾よくめいめいの石をカイロ団長の家まで運んだときはもうおひるになっていました。それにみんなはつかれてふらふらして、目をあいていることも立っていることもできませんでした。あーあ、ところが、これから晩までにもう八百九十九貫九百匁運ばないと首をシュッポオンと切られるのです。

Context Focus Standard Context
汗が チクチクチクチク (次から次へと) 出て

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ちくちく > 痛い>針
2 = 汗=針

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 鋭い痛みを表す「チクチク」を用いることで、汗をかく運動に、かなりの疲労感や痛みを伴うものであるような印象を与える。
迫真法・活写法・現前化 (hypotyposis) 「チクチク」という擬態語を用いることで、当該人物の経験した皮膚感覚をありのまま表現している印象を与える。
類像性・イコン性 (iconicity) 「チクチク」という擬態語を繰り返すことにより、発汗が一定の期間繰り返し続いたことを示す。