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「あまがえるはすきとおる位青くなって、平伏いたしました」

Page Type Example
Example ID a2254
Author 宮沢賢治
Piece 「カイロ団長」
Reference 『新編銀河鉄道の夜』
Pages in Reference 54

Text

おしまいにはとのさまがえるは、十一疋のあまがえるを、もじゃもじゃ堅(かた)めて、ぺちゃんと投げつけました。あまがえるはすっかり恐れ入って、ふるえて、すきとおる位青くなって、その辺に平伏いたしました。

Context Focus Standard Context
あまがえるは 青くなって (非常に怖くなって) …平伏いたしました

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 青くなる > 恐れる 紅潮する>恐れる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 「すきとおる」と「青くな(る)」は直接お互いに関係しない色覚的な変化だが、擬人化された「あまがえる」の行為として記述されることにより、「青くなって」に恐怖で青ざめて思考が止まってしまいそうになることと、擬態により物理的な色が変わって認識しにくくなるという解釈を想起させる。
誇張法 (hyperbole) 「青くなって」だけでは修辞性は高くないが、「すきとおる位」という形容詞によってカエルの様子を誇張する。
ユーモア (humour) 「青くなって」だけでは修辞性は高くないが、「すきとおる位」という形容詞が誇張気味で面白さを加えている。
心理描写 (psychological-description) 青ざめ過ぎて透明になるという誇張によってあまがえるが大変に驚いた様子を描く。