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「十一疋のあまがえるをもじゃもじゃ堅(かた)めて」

Page Type Example
Example ID a2253
Author 宮沢賢治
Piece 「カイロ団長」
Reference 『新編銀河鉄道の夜』
Pages in Reference 54

Text

「あ痛っ、あ痛っ。誰だい。」なんて云いながら目をさまして、しばらくきょろきょろきょろきょろしていましたが、いよいよそれが酒屋のおやじのとのさまがえるの仕業(しわざ)だとわかると、もうみな一ぺんに、 『何だい。おやじ。よくもひとをなぐったな。』と云いながら、四方八方から、飛びかかりましたが、何分とのさまがえるは三十がえる力りきあるのですし、くさりかたびらは着ていますし、それにあまがえるはみんな舶来ウェスキーでひょろひょろしてますから、片っぱしからストンストンと投げつけられました。おしまいにはとのさまがえるは、十一疋のあまがえるを、もじゃもじゃ堅(かた)めて、ぺちゃんと投げつけました。

Context Focus Standard Context
十一疋のあまがえるを もじゃもじゃ (くちゃくちゃに) 堅めて

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 もじゃもじゃ > 多い>毛
2 = かえる 両生類=毛

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
声喩・オノマトペ (onomatoeia) 「もじゃもじゃ」という毛髪の密度や絡まりを表す擬態語を用いることで、一箇所に集まる十一匹のカエルが身動きできないほど極度に密集しているかのような印象を与える。
ユーモア (humour) カエルという丸みを帯びた生物を細長い毛髪になぞらえることでおかしみを生む。