目次

「水準器になってしまったのを感じた」

Page Type Example
Example ID a2242
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 322

Text

街を歩くと堯(たかし)は自分が敏感な水準器になってしまったのを感じた。彼はだんだん呼吸が切迫して来る自分に気がつく。そして振り返って見るとその道は彼が知らなかったほどの傾斜をしているのだった。

Context Focus Standard Context
水準器 (自分)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 水準器 = 自分 自分=温度計

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Elaboration
C Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A なって が-主語
2 B - C 統語関係
3 C に[なってしまった] に-変化・帰着させる状態
4 C [に]なっ[てしまった] 変質する(へんしつする)
5 C [になっ]て[しまった] て-補助用言に連なる用法
6 C [になって]しまっ[た] 終止する(しゅうしする)
7 C [になってしまっ]た た-過去-終止形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 角度を計測する水準器に比することで、堯が坂の傾斜を敏感かつ正確に感じとる様子を想起させる。
誇張法 (hyperbole) 角度を計測する水準器に比することで、坂の傾斜を感じとる堯の敏感さ・正確さを際立たせる。