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「匕首(あいくち)のような悲しみが彼に触れた」

Page Type Example
Example ID a2240
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 316

Text

突然匕首(あいくち)のような悲しみが彼に触れた。

Context Focus Standard Context
匕首 悲しみ

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 匕首 = 悲しみ 悲しみ=わき差し

Grammar

Construction AのようなB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような B 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 悲しみを刃物に比することで、当該の悲しみが単なる落ち込みではなく、自分の心に危害を与えうるほどのものであるという印象を与える。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 具体物になぞらえることで、悲しみによって身体に傷がつくかのような一層のリアリティを与える。
縁語・縁装法 (-) 具体物になぞらえることで「触れた」という述語を導出可能とする。