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「ものを言うたび口から蛙が跳び出すグリムお伽噺の娘のように」

Page Type Example
Example ID a2229
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 311

Text

銀座では堯(たかし)は自分の痰を吐くのに困った。まるでものを言うたび口から蛙が跳び出すグリムお伽噺の娘のように。

Context Focus Standard Context
ものを言うたび口から蛙が跳び出すグリムお伽噺の娘 (痰を吐く自分)

Rhetoric

Semantics

Grammar

Construction まるでAのように
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 まるで ように ちょうど(ちょうど)
2 A の[ように] の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 A [の]ように 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 口から蛙が飛出し困るというお伽噺を引き合いに出すことで、見られては困るものが口から否応もなく出てしまい困るという心理状態を表し、銀座という都会では痰を吐く場所に困るという当該の状況における心理を表現する。
ユーモア (humour) 修飾要素を重ねて具体的なイメージを造形することで、口から意図せず痰が飛び出す堯の姿を戯画化する。