目次

「陶器のように白い皮膚」

Page Type Example
Example ID a2226
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 311

Text

その少女はつつましい微笑を泛(うか)べて彼の座席の前で釣革に下がっていた。どてらのように身体に添っていない着物から『お姉さん』のような首が生えていた。その美しい顔は一と眼で彼女が何病だかを直感させた。陶器のように白い皮膚を翳(かげ)らせている多いうぶ毛。鼻孔のまわりの垢(あか)。

Context Focus Standard Context

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 陶器 = 皮膚 肌=陶磁器

Grammar

Construction AのようにB-C
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Elaboration
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ように] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ように B 様-類似-連用形
3 B - C 統語関係

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 陶器の表面の質感を引き合いに出すことで、皮膚の白さや滑らかさ、美しさを具体的に想起させる。
評価 (evaluation) 当該人物の肌を陶器になぞらえることでその美しさを強く肯定する。
人物描写 (description of a character) 当該人物を病的に白い肌に着目して描き、その人物が病に侵されていることを暗示する。