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「樫の並樹は鋼鉄のような弾性で撓(し)ない踊りながら」

Page Type Example
Example ID a2199
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 299

Text

展望の北隅を支えている樫の並樹は、ある日は、その鋼鉄のような弾性で撓(し)ない踊りながら、風を揺りおろして来た。

Context Focus Standard Context
鋼鉄 樫の並樹 のような弾性

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 鋼鉄 = かし ぶな=鉄

Grammar

Construction AのようなB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような B 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 樫の樹が風に揺れている様子について、樫が硬く、かつ強度の強い材質であることから鋼鉄に比する。そして、鋼鉄が撓るというイメージを打ち出すことで、樹の揺れ動きの力強さを想起させる。
縁語・縁装法 (-) 樫の樹の力強さが、風に揺らされている筈だった樫が逆に「風を揺りおろす」という因果を逆転させた後続表現を導出する。