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「住むべきところをなくした魂」

Page Type Example
Example ID a2184
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 298

Text

堯はこの頃生きる熱意をまるで感じなくなっていた。一日一日が彼を引き摺っていた。そして裡(うち)に住むべきところをなくした魂は、常に外界へ逃れよう逃れようと焦慮(あせ)っていた。

Context Focus Standard Context
住む (ある) べきところをなくした魂

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 住む = ある ある=住む

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬人法 (personification) 堯の魂に、堯自身とは独立した存在感を付与する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 住む場所がない人の不安定さや不安感を想起させ、それによって堯の魂が本来的にとどまることのできる場所を失って安定を欠いた状態になっていることを示す。
心理描写 (psychological-description) 住む場所がない人の不安定さや不安感を引き合いに出すことで、生きる熱意を失ってしまった尭の精神状態を描く。