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「ごんごん胡麻は老婆の蓬髪のようになってしまった」

Page Type Example
Example ID a2178
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 297

Text

ごんごん胡麻は老婆の蓬髪のようになってしまい、霜に美しく灼けた桜の最後の葉がなくなり、欅が風にかさかさ身を震わすごとに隠れていた風景の部分が現われて来た。

Context Focus Standard Context
老婆の蓬髪 ごんごん胡麻

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 野草 牧草=髪

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A なって は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ようになってしまい] の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように[なってしまい] 様-類似-連用形
4 B [のように]なっ[てしまい] 変質する(へんしつする)
5 B [のようになっ]て[しまい] て-補助用言に連なる用法
6 B [のようになって]しまい 終止する(しゅうしする)

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 老女の髪が抜けてまばらになり、まとまりがなくほつれた様子を引き合いに出すことで、そこら中にまとわり付いたヤブガラシが冬に枯れ、葉がまばらになり、かつ乱れた様子を想起させる。
明晰 (clarity) 老女の髪が抜けてまばらになり、まとまりがなくほつれた様子を引き合いに出すことで、冬に枯れたヤブガラシの葉のまばらや乱れた様子を分かりやすく表現する。
風景描写 (scene-description) 老女の髪が抜けてまばらになり、まとまりがなくほつれた様子を引き合いに出すことで、冬に枯れたヤブガラシの様子を描く。