目次

「石垣の鼻のザラザラした肌で靴は自然に止った」

Page Type Example
Example ID a2152
Author 梶井基次郎
Piece 「路上」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 229-230

Text

石垣の鼻のザラザラした肌では自然に止った。それはなにかが止めてくれたという感じであった。全く自力を施す術はどこにもなかった。いくら危険を感じていても、滑るに任せ止まるに任せる外はなかったのだった。

Context Focus Standard Context
石垣の鼻のザラザラした肌で (自分) は自然に止った

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 > 自分 靴>自分

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 靴を主語にすることで、当該人物の意思とは無関係に靴自体が勝手に止まったかのような印象を与える。
側写法 (metalepsis) 靴の動きを描くことで、それを履いている人が移動をやめたことを示唆する。
イディオム・慣用表現 (idiom) 「足が止まる」という慣習的な言い回しを拡張した表現を用いている。