目次

「はじめは振っているがしまいには器に振られているような」

Page Type Example
Example ID a2136
Author 梶井基次郎
Piece 「泥濘」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 217

Text

混合酒を作っているのを見ている。種々な酒を一つの器へ入れて蓋をして振っている。はじめは振っているがしまいには器に振られているような恰好をする。

Context Focus Standard Context
器に振られている (器を振っている)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 生き物 生物=器

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
描写 (description) 器が人を振るという通常とは逆の関係を示すことで、当該人物が器を振るやり方の独特さを描く。
擬人法 (personification) 人が器を振るという他動的関係が成り立つのが通常であるのに対して、独特の振り方から、器が人を動かす力動的エネルギーをもつものであるかのような印象を与える。
ユーモア (humour) 動作の主体と対象が通常とは入れ替わっているかのように感じられる様子に、おかしみが感じられる。