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「淀んだ気持と悪く絡まった」

Page Type Example
Example ID a2132
Author 梶井基次郎
Piece 「泥濘」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 212

Text

自分の動かない気持は、しかしそのままであった。鏡を見たり水差しを見たりするときに感じる、変に不思議なところへ運ばれて来たような気持は、却って淀んだ気持と悪く絡まったようであった。

Context Focus Standard Context
気持は、却って淀んだ気持と 絡まった (一緒になった)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 絡まる = 混じる まじる=絡まる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 「変に不思議なところへ運ばれてきたような気持」と「淀んだ気持」のそれぞれに、結んだり解いたりできる対象としての実在性を感じさせる。
イメジャリー・イメージ (imagery) 「変に不思議なところへ運ばれて来たような気持」と「淀んだ気持」を糸のように捉えたうえで、それらが互いに絡まり合うように入り混じり、不可分な状態になっている様子を想起させる。
アナロジー・類推 (analogy) 絡んだ糸のイメージから、二つの気持ちを引き離そうとすると、余計に強く絡まってしまう印象を与える。
心理描写 (psychological-description) 絡み合う糸のイメージを喚起することで、二種類の感情が同時に生起している様子を描く。