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「淀んだ気持と悪く絡まった」

Page Type Example
Example ID a2131
Author 梶井基次郎
Piece 「泥濘」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 212

Text

自分の動かない気持は、しかしそのままであった。鏡を見たり水差しを見たりするときに感じる、変に不思議なところへ運ばれて来たような気持は、却って淀んだ気持と悪く絡まったようであった。

Context Focus Standard Context
淀んだ (不活発な)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 よどんだ = 不活発 活発=とろり

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 流体の流れの滞りに喩えることで、精力を尽くして臨んだ執筆が失敗に終わってしまった「自分」の無気力さを想起させる。
心理描写 (psychological-description) 流れの滞った流体のイメージを喚起することで、失敗を前にした当該人物の心もちを描く。
明晰 (clarity) 流れが滞った流体のイメージを喚起することで、当該人物の気持ちという把握しにくい対象を理解しやすくする。
縁語・縁装法 (-) 流体の喩えは、別の具象物として喩えられた「鏡を見たり水差しを見たり」する際に感じる安らぎや気分転換と相性悪く交わるという描写の中でも活きている。