目次

「妄想が不意に頭を擡(もた)げる」

Page Type Example
Example ID a2122
Author 梶井基次郎
Piece 「泥濘」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 209

Text

そこへ沼の底から湧いて来る沼気のようなやつがいる。いやな妄想がそれだ。肉親に不吉がありそうな、友達に裏切られているような妄想が不意に頭を擡(もた)げる

Context Focus Standard Context
妄想が 頭を擡げる (頭に浮かぶ)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 もたげる = 浮かぶ 現れる=もたげる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 動物が頭をもたげるときのような唐突さと鷹揚さで、不穏な妄想が急にゆっくりと心の中に浮かび上がってくるような印象を与える。
擬人法 (personification) 妄想という事象に、人が頭を擡げる際の意図や鷹揚さを感じさせる。