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「動き出すことの禁ぜられた沼のように淀んだところ」

Page Type Example
Example ID a2119
Author 梶井基次郎
Piece 「泥濘」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 209

Text

何をやりはじめてもそういうふうに中途半端中途半端が続くようになって来た。またそれが重なってくるにつれてひとりでに生活の大勢が極ったように中途半端を並べた。そんなふうで、自分は動き出すことの禁ぜられた沼のように淀んだところをどうしても出切ってしまうことができなかった。

Context Focus Standard Context
動き出すことの禁ぜられた沼のように 淀んだ (不活発な)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 よどみ = 不活発 安定=よどみ

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
寓意・アレゴリー (allegory) 直前の「動き出すことの禁ぜられた沼」に連なる表現。
イメジャリー・イメージ (imagery) 周囲の流れとは切り離されて一か所に溜まっている沼の淀みの重苦しいイメージによって、どのようなことをやるにしても一生懸命打ち込んでやり遂げることができず全て中途半端に終わってしまう様子を想起させる。
描写 (description) 沼のイメージを喚起することで、当該人物が置かれた状況がどのようなものであるかを描いている。