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「次第次第に濃い嘘を吐いていってようやく真実の光を放つ」

Page Type Example
Example ID a2105
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 56

Text

重苦しくてならぬ現実を少しでも涼しくしようとして嘘をつくのだけれども、嘘は酒とおなじようにだんだんと適量がふえて来る。次第次第に濃い嘘を吐いていって、切磋琢磨され、ようやく真実の光を放つ

Context Focus Standard Context
真実の 光を放つ ()

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 真実 真=光
2 放つ = 言う 言う=投げる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
アナロジー・類推 (analogy) 幾度も磨き上げることによって金属が光沢を帯びていき、やがて強い輝きをもつように、嘘を次々に重ねていくことによって、あたかも真実であるかのような響きをもつに至るかのような印象を与える。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 「真実」を貴金属や宝石のように実際に光り輝く効果なものとして実体化する。
描写 (description) 「嘘をつく」という行為がどのようなものであるのかを説明している。