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「嘘は酒とおなじようにだんだんと適量がふえて来る」

Page Type Example
Example ID a2101
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 56

Text

重苦しくてならぬ現実を少しでも涼しくしようとして嘘をつくのだけれども、嘘はとおなじようにだんだんと適量がふえて来る。

Context Focus Standard Context
だんだんと適量がふえて来る

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = うそ うそ=酒

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-一般的事物に対する判断の主題
2 B と[同じように] C と-比較の基準
3 B [と]同じ[ように] C 同じ(おなじ)
4 B [と同じ]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
アナロジー・類推 (analogy) アルコールは慣れによって酔っ払うために要する酒量がだんだんと増えていくのと同じで、現実を見ないで済ませようとするための嘘も次第に慣れていき、少量では効果がなくなり、大量の嘘を必要とする、という推論を引き出す。
描写 (description) 「嘘をつく」という行為がどのようなものであるのかを説明している。