「嘘は犯罪から発散する音無しの屁だ」

「三尺ほど前方の畳のへりを見つめながら三郎は考える。嘘は犯罪から発散する音無しの屁だ。自分の嘘も、幼いころの人殺しから出発した。父の嘘も、おのれの信じきれない宗教をひとに信じさせた大犯罪から絞り出された。」

Context	Focus	Standard	Context
犯罪から発散する	音無しの屁	嘘	だ

	Category
1	直喩・シミリ (simile)
2	アナロジー・類推 (analogy)

	Source	Relation	Target	Pattern
1	屁	=	うそ	うそ=へ

Construction	AはBだ
Mapping Type	概念メタファー

Lexical Slots	Conceptual Domain
A	Target
B	Source

	Preceding	Morpheme	Following	Usage
1	A	は	B	は-一般的事物に対する判断の主題
2	B	だ		だ-断定・指定-終止形

Category	Effect
アナロジー・類推 (analogy)	音無の屁という事象は、屁という不快・羞恥を喚起する生理現象が人に知られずに発生するものであることを想起させ、犯罪における嘘もそれと同じく、犯罪を起こすとそれに伴い嘘を付かざるをえず、それが気付かないうちに人々や自分自身を不快にさせることを表現する。