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「ピストルを自分の耳にぶっ放したい発作とよく似た発作」

Page Type Example
Example ID a2083
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 49

Text

そのとしの秋、三郎はひとを殺した。言問橋から遊び仲間を隅田川へ突き落したのである。直接の理由はなかった。ピストルを自分の耳にぶっ放したい発作とよく似た発作におそわれたのであった。

Context Focus Standard Context
ピストルを自分の耳にぶっ放したい発作 発作

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction Aとよく似たB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A と[よく似た] B と-比較の基準
2 A [と]よく[似た] B よい(よい)
3 A [とよく]似[た] B 同じゅうする(おなじゅうする)
4 A [とよく似]た B た-存続-連体形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 同じく生命を奪う行為である自殺を欲する情動を引き合いに出すことで、三郎が人を殺した際に生じていた情動に、破滅的な退廃を感じさせる。
アナロジー・類推 (analogy) 他者を殺すことと自己を殺すことに違いがなく、「直接の理由がなかった」という営利的な動機のない消極的な動機に基づいた行為であることを示す。