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「眼はだんだんと死魚の眼のように冷くかすみ」

Page Type Example
Example ID a2068
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 37

Text

次郎兵衛の酒はいよいよ量がふえて、眼はだんだんと死魚の眼のように冷くかすみ、額には三本の油ぎった横皺が生じ、どうやらふてぶてしい面貌になってしまった。

Context Focus Standard Context
死魚の眼 治郎兵衛の眼 冷くかすみ

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 彼=魚

Grammar

Construction AはBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 死んだ魚という精気を失った存在を引き合いに出すことで、酒におぼれた当該人物の目に精気が全く感じられなくなった様を具体的に想起させる。
人物描写 (description of a character) 死んだ魚の目になぞらえることで、当該人物の目つきを描く。