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「水源の濁り水は山を韋駄天ばしりに駈け下り」

Page Type Example
Example ID a2060
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 29

Text

水源の濁り水は大渦小渦を巻きながらそろそろふくれあがって六本の支流を合せてたちまち太り、身を躍らせて山を韋駄天ばしりに駈け下りみちみち何百本もの材木をかっさらい川岸の樫や樅や白楊の大木を根こそぎ抜き取り押し流し、

Context Focus Standard Context
水源の濁り水は 韋駄天ばしりに駈け下り ()

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 韋駄天 = 谷川 小川=鬼子母神
2 走る = 流れる 流れる=走る

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
寓意・アレゴリー (allegory) 直前の「ふくれあがる」「太り」「身を躍らせて」に連なる表現。
擬人法 (personification) 俊足の神である韋駄天が荒々しく斜面を走って下っていくイメージによって、山を流れ下っていく谷川の勢いや躍動感を想起させる。
誇張法 (hyperbole) 擬人化(擬神化?)によって、谷川の躍動感が鮮明に描かれている。
自然描写 (description of nature) 駆ける韋駄天になぞらえることで、勢いよく流れる川の様子を描いている。