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「通り越しさえすれば死にはいってしまうのに違いなかった」

Page Type Example
Example ID a1992
Author 芥川龍之介
Piece 「或阿呆の一生」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 432

Text

彼は二度目には懐中時計を持ち、試みに縊死を計ることにした。するとちょっと苦しかった後、何も彼もぼんやりなりはじめた。そこを一度通り越しさえすれば、死にはいってしまうのに違いなかった。

Context Focus Standard Context
死に はいって (至って) しまう

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 入る = 至る 至る=入る

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 「死」がある種の袋のような形状をもつ印象を与える。
迂言法 (periphrasis) 「死ぬ」ではなく「死にはいる」と回りくどく表現する。それにより、空間化された死の内部に入るという移動を提示し、死に至る状態変化のプロセスを表すことができる。