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「彼女の顔は月の光の中にいるようだった」

Page Type Example
Example ID a1984
Author 芥川龍之介
Piece 「或阿呆の一生」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 417

Text

彼等の自動車に乗った後、彼女はじっと彼の顔を見つめ、『あなたは後悔なさらない?』と言った。彼はきっぱり『後悔しない』と答へた。彼女は彼の手を抑へ、『あたしは後悔しないけれども』と言った。彼女の顔はこう云う時にも月の光の中にいるようだった。

Context Focus Standard Context
彼女の顔は 月の光の中にいる () ようだった

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction AはBようだった
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A Bようだった は-既出のものに関する判断の主題
2 B ようだっ[た] 様-類似-連用形
3 B [ようだっ]た た-過去-終止形

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 当該の女性の顔が青白いことを描いている。
イメジャリー・イメージ (imagery) 青白い光を放つ月光のイメージによって、顔色を表現する。
評価 (evaluation) 月光の美しさによって、男が女へと抱く肯定的な評価も反映される。