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「本は影の中に沈みはじめた」

Page Type Example
Example ID a1966
Author 芥川龍之介
Piece 「或阿呆の一生」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 400

Text

彼は薄暗がりと戦ひながら、彼等の名前を数へて行つた。が、本はおのづからもの憂い影の中に沈みはじめた

Context Focus Standard Context
もの憂い影の中に 沈みはじめた (隠れはじめた)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 沈む = 隠れる 隠れる=沈む

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
描写 (description) 日が暮れるにつれて本の背表紙に書かれた文字が徐々に判別しにくくなっていったという認識の変化が、本自体の状態変化として表現されている。
イメジャリー・イメージ (imagery) 水に沈む物体の姿がぼやけていくイメージを借りて、本の文字が読み取れなくなっていった様子が、分かりやすく描写されている。
クロノグラフィー (choronography) 日没への推移を描くとともに、暗さの中に落ちていく心理を浮き彫りにする。