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「茘枝(れいし)に似た細君」

Page Type Example
Example ID a1941
Author 芥川龍之介
Piece 「河童」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 336

Text

ゲエルは資本家中の資本家です。おそらくはこの国の河童の中でも、ゲエルほど大きい腹をした河童は一匹もいなかったのに違いありません。しかし茘枝(れいし)に似た細君や胡瓜に似た子どもを左右にしながら、安楽椅子にすわっているところはほとんど幸福そのものです。

Context Focus Standard Context
茘枝 (細君)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ライチー = 細君 妻=果物

Grammar

Construction Aに類したB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A に[似た] B に-比較の基準
2 A [に]似[た] B 同じゅうする(おなじゅうする)
3 A [に似]た B た-存続-連体形

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 細君の(河童としての)美しさを比喩的に描く。
評価 (evaluation) 細君の(河童としての)美しさに対する肯定的評価を表す。
イメジャリー・イメージ (imagery) 細君に対する美しいという評価を、ライチという瑞々しく美味であり、かつ珍しいという肯定的な評価を複数有する事物のイメージに比することで表現する。