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「ことに家族制度というものは莫迦げている以上にも莫迦げている」

Page Type Example
Example ID a1931
Author 芥川龍之介
Piece 「河童」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 325

Text

当たり前の河童の生活ぐらい、莫迦(ばか)げているものはありません。親子夫婦兄弟などというのはことごとく互いに苦しめ合うことを唯一の楽しみにして暮らしているのです。ことに家族制度というものは莫迦げている以上にも莫迦げているのです。

Context Focus Standard Context
莫迦げている以上にも () 莫迦げている

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
同語反復・トートロジー (tautology) 莫迦げている「以上」であるならば、それ以上の無意味さを表す表現が続くことが期待されるが、同一表現の反復が実際には続く。
強調反復 (diacope) 同一表現の反復が続くことで、適当な表現が見つからないほどに「莫迦げている」ことを強調したいという感情に飲まれていることがほのめかされている。