Page Type | Example |
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Example ID | a1910 |
Author | 夏目漱石 |
Piece | 「思い出すことなど」 |
Reference | 『夏目漱石』 |
Pages in Reference | 388 |
「かく単に自活自営の立場に立って見渡した世の中はことごとく敵である。自然は公平で冷酷な敵である。社会は不正で人情のある敵である。もし彼対我の観を極端に引延ばすならば、朋友(ほうゆう)もある意味において敵であるし、妻子もある意味において敵である。そう思う自分さえ日に何度となく自分の敵になりつつある。疲れてもやめえぬ戦いを持続しながら、けい然として独(ひと)りその間に老ゆるものは、見惨(みじめ)と評するよりほかに評しようがない。」
Context | Focus | Standard | Context |
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社会は | 不正で人情のある敵 | () | である |
Construction | |
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Mapping Type |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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Preceding | Morpheme | Following | Usage |
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Category | Effect |
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擬人法 (personification) | 複雑で様々な要素を含む「社会」という存在が、あたかも争いの相手であるように、自らに対して敵意をもって攻撃してくるかのような印象を与える。 |
定義 (definition) | 「敵」という見立てを通して「自然」がどのようなものであるのかを特徴づけている。 |
縁語・縁装法 (-) | どういう点で敵だと言えるのかについての解説を導く役割を果たす。 |