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「手が蒟蒻のように弱って」

Page Type Example
Example ID a1880
Author 夏目漱石
Piece 「夢十夜」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 350

Text

庄太郎は必死の勇をふるって、豚の鼻頭を七日六晩叩いた。けれども、とうとう精根が尽きて、手が蒟蒻(こんにゃく)のように弱って、しまいに豚に舐められてしまった。

Context Focus Standard Context
蒟蒻 (手)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 こんにゃく = 手=麩

Grammar

Construction AがBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C が-主語
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 柔らかく、しなやかであり硬い握りこぶしの対極にある事物である蒟蒻のイメージを喚起し、殴るための握りこぶしを作ることも出来ないほど疲れ切った様子を表現する。
誇張法 (hyperbole) 柔らかいものの典型例である蒟蒻を引き合いに出すことで、疲れ切って力が入らない拳の弛緩した様子を協調する。