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「乗合はたくさんいた」

Page Type Example
Example ID a1875
Author 夏目漱石
Piece 「夢十夜」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 337

Text

乗合はたくさんいた。たいていは異人のようであった。しかしいろいろな顔をしていた。空が曇って船が揺れた時、一人の女が欄(てすり)に倚(よ)りかかって、しきりに泣いていた。眼を拭く手巾(ハンケチ)の色が白く見えた。しかし身体には更紗(さらさ)のような洋服を着ていた。この女を見た時に、悲しいのは自分ばかりではないのだと気がついた。

Context Focus Standard Context
乗合 (客) はたくさんいた

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 乗り合い > 乗客 同席>旅行家

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 偶然乗合いになった人、という以上の存在ではないことを示す。