目次

「どこかバルザックの武者ぶりに似ている」

Page Type Example
Example ID a1826
Author 坂口安吾
Piece 「湯の町エレジー」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 367

Text

芸者をつれて豪遊し、それがアリバイを構成し、食後の運動、又、時にはコソ泥式の忍び込みもするところなども通算して一つの風流をなしている。惚れ惚れする武者ぶりだ。どこかバルザックの武者ぶりに似ている。

Context Focus Standard Context
バルザックの武者ぶり (泥棒の振るまい)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 バルザック = 泥棒 賊=紫式部

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 どこか 似ている ここ(ここ)
2 A に[似ている] に-比較の基準
3 A [に]似て[いる] 同じゅうする(おなじゅうする)
4 A [に似て]いる 居る(いる)

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 心理などの人間性を細かく描写したフランスの作家になぞらえることで、単に遊びや盗みを行うのではなく、そこに人間性の細かい機微を感じさせる。
権威論法 (argument of authority) バルザックという高名な作家になぞらえることで、当該人物の行為を正当化している。
人物描写 (description of a character) バルザックの人物像を参照させることで、当該人物の人となりを描いている。