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「女房が蛆(うじ)のごとくに卑しく見える」

Page Type Example
Example ID a1816
Author 坂口安吾
Piece 「金銭無情」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 334

Text

こうなっては宿六たるもの女房が蛆(うじ)のごとくに卑しく見えるから、顔を見るたびに出て行け、としか言葉がない。

Context Focus Standard Context
(女房)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 うじ = 女房 妻=昆虫

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A 見える が-主語
2 B の[ごとくに] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ごとく[に] C ごとし-類似-連用形
4 B [のごとく]に C だ-断定・指定-連用形
5 C 見える 判ずる・判じる(はんずる・はんじる)

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 生理的な嫌悪感を喚起する生物である蛆になぞらえることで、女房に対して主体が抱く嫌悪感や侮蔑感を具体的に想起させる。
評価 (evaluation) 生理的な嫌悪感を喚起する生物である蛆になぞらえることで、女房に対して主体が嫌悪や侮蔑といった否定的な心情を強く抱いていることを示す。